福島県の天候
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春
■冬型の気圧配置がゆるみ始める2月末から3月にかけては、本州南岸を通る低気圧のため浜通りや中通りでは湿った春の雪になることがある。特に発達した低気圧が停滞したり、南岸からゆっくり福島県沖を北上する時は、着雪による断線のため停電したり、大雪によるビニールハウスの倒壊、樹木の枝折れなど大きな災害になることがある。浜通りの積雪は冬型よりもこの南岸低気圧によってもたらされる。平均気温が10℃前後になると桜が開花し始める。福島県内の桜前線は、まず浜通りを北上、次に中通りを南下しその後会津に移る。この頃になると低気圧や高気圧が周期的(3〜4日おき)に通り、天気は短い周期で変化する。時には日本海の低気圧が非常に発達することがあり、福島県では3月から4月ににかけて10m以上の風が吹く日数が最も多くなる。移動性高気圧におおわれると風も静かで晴れわたるが、その一方で放射冷却により地表付近の気温が下がり、霜の降りることがしばしばある。また、春には雪解けした山に人が入るようになり、山林火災の発生も多くなる。この頃は高気圧におおわれ日照時間も長くなり、湿度は一年で最も低くなる。5月になると帯状の高気圧が停滞するようになり、天気の周期がはっきりしなくなり、晴れの日が一週間続くこともある。        〜 左の写真は三春の滝桜〜
夏
■春には勢力の弱かった太平洋高気圧が次第に日本の南海上に張り出すため、本州の南岸沿いに前線(梅雨前線)が停滞するようになる。この前線上を2〜3日おきに低気圧が東進して雨が続く。東北南部の平年の梅雨入りは6月10日頃で、6月に入ると急激に日照時間が少なくなり、気温の上昇も抑えられ、ぐずついたうっとうしい天気が続くようになる。
 梅雨の前半は、オホーツク海高気圧から冷たく湿った風(ヤマセ)が吹き込んでくるため全般に気温が低くなり、霧や低い雲による日照不足も重なり、浜通りを中心に冷害になることがあるが、会津ではヤマセによる影響は少ない。
 後半になると、前線の北上により雨が強くなり、梅雨明け近くには集中豪雨にも注意が必要である。一年で最も雨量が多くなるのがこの時期で、平年の梅雨明けは7月23日頃となっている。梅雨が明けると気温は上昇し、また日照時間も急激に増加し本格的な夏となる。
                  〜左の写真は磐梯山と猪苗代湖〜
秋
■9月になると大陸に高気圧が形成され、太平洋高気圧との間で前線が停滞して連日雨となることが多い。この前線が秋雨前線である。また、9、10月は台風の季節でもあり、この時期の台風は太平洋高気圧のへりに沿って移動し、太平洋高気圧が後退するときに上陸しやすくなる。台風の北上により秋雨前線の活動が活発になり、雨量が多くなる。10月中頃になると大陸の乾燥した高気圧が次第に勢力が増し、日本付近の前線が南下して消え、秋雨の時期が終わる。その後、移動性高気圧が日本上空を次々と通るようになり、天気が周期的に変わるよになる。10月下旬になると寒気も入るようになり、低気圧の通過に伴い高い山では初冠雪が観測される。10月末から11月にかけて移動性高気圧が停滞するようになり、秋晴れの日が多くなる。この時期、会津盆地では、明け方の冷え込みにより朝霧が発生する日が多くなる。11月中旬頃になると一時的に大陸の寒気を伴った高気圧が張り出し、西高東低の冬型の気圧配置になることがある。この時期、福島県内各地で初雪が観測される。季節は秋から急速に冬に向かう。  
               〜左の写真は中津川渓谷〜
冬
■12月は冬至前後からシベリアの高気圧が強まり、西高東低の気圧配置が続き冬らしくなる。会津地方では年間降雨量のほぼ半分が雪であり、日本屈指の豪雪地帯となっている。特に、奥会津では一晩で1m以上の積雪となることもあり、その結果、最深積雪が5〜6mにも達する。強い寒気が入ってくると浜通りでも雪は降るが、通常は中通りの平野部や浜通りでは晴天が多くなる。会津で晴れるのは冬型の気圧配置が解消して、季節風が弱まったときや日本海に低気圧がある場合でも幾日も続くことはない。浜通りでは冬が最も空気が乾燥し、火災が起きやすくなる。  
                〜左の写真は冬の燧ケ岳・尾瀬沼周辺から〜
福島地方気象台の資料による
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